Yasuoka Laboratory

【3年生の皆様へ】

泰岡研究室はいつでも見学を歓迎しております。気軽に学生居室(25棟319室)までお越しください!

既に訪問したい時間帯が決まっている方は こちらのフォーム(要keio.jp認証)からアポイントメントを取ることも可能です。



主に学部生・大学院生向けのページです.

泰岡研って何をやってるの?

 泰岡研では分子レベルでのシミュレーション(分子シミュレーション)を用いて,ナノテクノロジー,環境・エネルギー,バイオサイエンスなど先端技術につながる現象解明を行っています.分子シミュレーションは,第一原理的な方程式を用いて分子レベルで現象を解析する方法で,物理的なモデルをあらかじめ考えて計算を行う手法とは異なっています.分子シミュレーションの代表的なものとして Molecular Dynamics(分子動力学,MD)があります.MDシミュレーションではコンピュータ上に作られた空間の中に自分の調べたい 物質の分子を配置して,分子間に働く力を計算することで時間とともに物質内の分子や原子がどのような挙動をするのかを探索することができます. 分子シミュレーションは,近年のコンピュータ演算処理の著しい発展のおかげで一昔前に比べかなり大規模で, より時間の長い系について研究を行うことが可能になってきています.これにより分子というミクロな視点から, 実際に私たちが目に触れるマクロなスケールの現象を説明することも可能になると考えられています.実験的にはまだ知られていないような新しい現象の発見にもつながる方法で,最近では多くの企業も注目している,将来性の豊かな研究です.

泰岡研の研究方針

 泰岡研では,基本的に全ての研究は計算機を使って行います.自分でプログラミングする場面も多々あります. 外部アプリケーションを用いるのではなく自分でコードを書き上げるため, "本当の意味でのスキル"を身につけることもできます.これは社会に出てからも必ず役にたつと言えるのではないでしょうか.もちろん,プログラムを書くことだけがスキルを身につけるということではなく,プログラムを書くことを通して,論理立てて物事を考える力を養うことにつながるからです.
 中にはコンピュータが苦手な人もいると思います.しかし泰岡研ではこれまでのコンピュータスキルに関しては全く問いません. スキルあふれる先輩たちが優しく手取り足取り懇切丁寧に教えてくれます.つまり研究室に入ったとき, プログラミングスキルが全く無くても大丈夫なような体制になっています. 必要なのはやる気だけです.スキルは研究室にいれば勝手に身に付いていきます. 研究室に入ったときはコンピュータに全然詳しくなかったのに今はバリバリ研究をこなしている人もたくさんいます.
 研究の成果は国際的に評価の高い論文誌(英語)に投稿し,採択されています.4年生も国内外の学会で発表をおこなうなど,学生のアクティビティも非常に高い研究室です.研究を進めていく際には,常日頃より盛んに議論します.議論しながら自分の考えがまとまることがあるからです.また,本塾理工学部機械工学科の他研究室(森研,小尾研,堀田研,大村研),本塾医学部薬理学教室,国内外の大学(Nebraska-Lincoln大学,東大,京大,東北大,東工大,福井大),研究所(理化学研究所)あるいは企業など外部研究機関との共同研究も活発に行っています.泰岡研で行っていることと先方の研究室で行っていることを融合していくことで,世界最先端の研究が加速すると考えているからです.

研究室の開発・計算環境

 一人一台もしくは二台の個人用コンピュータ(端末)を扱うことが出来ます. 機種はMac, PC, Unix,Linuxなどなどなんでもあります.自分の好きなマシンを使うことが出来ます(多分).これらは端末として利用しているだけで,基本的には自分の使う物が1台あれば十分です. 研究に使う計算機はサーバールーム内にあり,分子動力学シミュレ—ションを専用に行なうためのもの(分子動力学専用計算機MDGRAPE-2, MDGRAPE-3)やゲーム用に開発された計算機(PLAYSTATION-3, GPUクラスタ)もあります.PS-3やGPUはそれぞれ機種特有の言語で書くことで,分子動力学シミュレーションを行うことができるようになります. 研究室で所有しているコンピュータの能力は,皆さんの使っている汎用のコンピュータ(普段使っているパソコン)と比較すると数千台分あります.また,専用計算機以外にも 1CPU内にたくさんコアの載っているサーバマシンもあります.シミュレーションの実行環境としては大学の研究室ではトップレベルであるといえます.世界最先端の研究を行いたい人にとっては,こんなにすばらしく快適な環境はないと思います.

スケジュール

 泰岡研の新4年生の一年間は右のようにして流れていきます. 人によっては国内の学会発表や国際会議で発表する人や,海外の英語の論文誌に投稿する人もいます. また週2回の学部輪講を通して研究者として必要な知識を補っていきます.
 研究室の活動としては,歓送迎会から始まって,花見,合宿,納会,忘年会などがあります.また,不定期に(ゲリラ的に)学生同士での懇親会(ただの飲み会とも言うが),泰岡教授のきまぐれによる急な飲み会等が多々あります.さらに,国内外から共同研究等で研究者の方が多数来られるので,その度に懇親会が開かれます.(飲んでいるばかりのようなイメージが...)懇親会はお互いを良く知るためだけでなく,研究上でも様々な情報交換をすることができ,学生にとっても普段聞けない話が多数聞けるのでためになります.

2月
 
研究テーマの決定
3月
 
歓送迎会,後期納会
4月
 
花見
5月
 
春合宿
7月
 
前期納会,分子シミュレ—ション夏の学校
9月
 
泰岡研中間発表
10月
 
4年生中間発表,秋合宿
12月
 
忘年会
1月
 
卒論提出
2月
 
卒論発表

泰岡教授より一言

 高性能のコンピュータを使って理論的に研究をしたいと思う人におすすめの研究室です.なんとなく研究をしたい人や,卒論や修論ができれば良い人,就職するには研究室に入らないとならないので,という後ろ向きな人にはお勧めできません.研究は興味がわかないとできないからです.泰岡研究室では,コンピュータを使って世界の最先端を行く研究を行い,その結果を論文や国際会議,国内学会でも発表しております.学部学生,修士学生でも十分に研究を行うことはできます.志の高い人が集まり,面白いことをやる気持ちを持ってやれば,何事も可能になるはずです.修士課程から当研究室で研究を行いたいと考えている学生さんも興味があれば問題ありません.毎年修士課程や博士課程から当研究室に来る学生がいます.研究活動が非常に充実していることもあり,博士課程へ進学する学生も多いのが特徴です.興味のある方は,見学に来てください.


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